東京と埼玉の賃金格差の現状

関東圏の中でも、埼玉県に住む魅力とはなんでしょう。第一に挙げられるのは、家賃が安いという点ではないでしょうか。実際、一人暮らしに平均的な「1LDK・駅徒歩10分」の条件で内装をあまり気にしない人であれば、築15年でおよそ家賃5万円ほどで住むことが可能です。

さらに駐車場代も安く、相場は5000円~8000円ほどです。この家賃・駐車場代の安さを知り、埼玉に移住してくる人は少なくありません。ただ、都内との最低賃金との差を考えると、仕事をする場合は埼玉から東京に出たいと感じる人が多いようです。

実際、2019年の東京都の最低賃金1013円に比べて、埼玉県の最低賃金は926円。近隣にありながら、この賃金の差は大きいものです。しかしここで考えて欲しいのが、家賃と交通費です。

例えば埼玉県から東京都に行くのに片道500円かかるとします。そうすれば往復で1000円はかかります。一週間に5日間勤務するとします。それが一ヶ月続くと、約2万円の交通費がかかってしまいます。会社側がしっかり交通費を負担してくれるのであれば問題ありませんが、そうでない場合は、東京へ行くことがマイナスになっていないかをしっかり計算しておいた方がいいでしょう。

交通費の無駄を省こうと、東京の住まいを探してみたとしても、やはり東京都は埼玉県に比べて家賃の相場が高くなっています。大事なプライベートを過ごす自分の家は、できるだけ居心地の場所にしたいもの。同じ価格でも、東京より埼玉の方が広々とした良い条件の住まいが見つかりやすいでしょう。そういったことを考えると、単純に東京で仕事するのが良いとは言いきれません。むしろ家賃や交通費、駐車場代まで考えると、埼玉県で働いた方が得かもしれません。

東京都と埼玉県、どちらに住み、仕事をするかで悩んでいる人は、時給だけでなく、家賃や交通費も考えて、どこを活動拠点にするのがベストなのかを考えてみるといいでしょう。